�ない当事者による運営で、きこえない人の国際スポーツ大会を開催し、社会を変えようとしました。私たちは、デフリンピックの理念を引き継ぎ、東京2025デフリンピック開催を機に、障害のある人とない人とのコミュニケーションや情報バリアフリーや情報アクセシビリティを推進し、きこえる人ときこえない人が共に生きる共生社会の実現へのさらなる前進をめざします。 本書は、皆様がデフリンピックへの理解を深め、スムーズに競技の見どころや試合の情報等を得ることで、競技観戦をより楽しめるようにすることを目的に作成されました。デフリンピックの歴史とその魅力や、競技上の視覚的情報保障やコミュニケーションの工夫、そして東京2025デフリンピックがめざすものを詳細に解説しています。 皆様に東京2025デフリンピックの競技観戦ガイドをお届けできますことを、大変光栄に存じます。デフリンピックが1924年にパリで開催されてから記念すべき100周年を迎える2025年に、東京で開催できることを嬉しく思います。 日本ではオリンピックやパラリンピックは夏季・冬季合わせて4回開催されていたのに対し、デフリンピックは一度も開催されたことがありませんでした。デフリンピック日本開催は、日本のデフアスリートやきこえない子どもにとって、長年待ち望んでいたものでした。 全日本ろうあ連盟は、そのたくさんの想いに応えたいと、招致に取り組みました。そして、2022年9月9日、10日にオーストリアで開かれた国際ろう者スポーツ委員会総会にて、ついに開催地に立候補し、投票の結果、満票で日本開催が決定しました。非常に感慨深いものがありましたが、その一方で、世界から日本開催への期待をひしひしと感じたのを覚えています。 デフリンピック提唱者のウジェーヌ・ルーベンスーアルケー氏は、きこえない人の社会的地位が低く、また手話言語が言語と認められていなかった時代に、きこえ 本書が、この歴史的な大会をより多くの人々が知り、関心を持ち、そして、デフアスリートに手話言語やサインエールを通じて応援していただけるきっかけとなることを心より願っております。 そして最後にお願いですが、東京2025デフリンピックの成功は、皆様の応援とご協力なくしては成しえません。この大会が、きこえる人もきこえない人も、すべての人が共に楽しめる、そして感動を分かち合える素晴らしいスポーツの祭典となるよう、引き続き皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。ご挨拶一般財団法人全日本ろうあ連盟常任理事・事務局長東京2025デフリンピック運営委員会委員長久松 三二
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